「お前ならギリいけるかも」「は？」

――友達だと思っていた男に、突然そう告げられた。
今まで生きてきて、まさかこんなことを言われる日がくるだなんて考えたこともなかった。
だからこそ返事をするまでに間が開いてしまったし、
彼の目が本気だ、という事にも気づいてしまったのだ。

1回だけ、1回だけでいいから、と詰め寄ってくる友人――深山の願いを
最初は勿論断った。断ったのだが――…